パパリーマン書店の店長”くろんぼ”です。
今回、紹介したい本は『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする』です。
この記事は”5分で読める”要約となっており、
忙しい人でも効率よく読書体験ができます
- どんな内容なのか
- どんな悩みを解決できるか
- 著者について
- 本の要約
- 本の感想
- オーディオブックの基本情報
”オーディオブック”を活用すればもっと効率よく読書体験できます
ひとこと要約
「無駄を捨てる勇気を持とう」
エッセンシャル思考とは、最小の時間で成果を最大にするための考え方です。
より多くの仕事をこなすためではなく、「より少なく、しかしよりよく」を追求する生き方です。
エッセンシャル思考になるためには、3つの思い込みを克服しなければいけません。
- 「やらなくては」ではなく
「やると決める」 - 「どれも大事」ではなく
「大事なものはめったにない」 - 「全部できる」ではなく
「何でもできるが、全部はやらない」
なにかもやらなくてはいう考え方をやめて、断ることを覚えたとき、本当に重要な仕事をやりとげることが可能になります。
もちろん、少なければいいというものでもない。
自分の時間とエネルギーをもっとも効果的に分配し、重要な仕事で最大の成果を上げるのが、狙いであります。
正しく減らすために3つのステップがあります。
- 見極める
- 捨てる
- しくみ化する
これらのステップを、日頃から繰り返していけば、得られる成果はどんどん大きくなっていきます。
エッセンシャル思考は、自分の選択を自分の手に戻すための道のりです。
それはあなたに、これまでにくらべものにならないほどの成功と充実感を与えてくれます。
- 仕事を断るのが苦手
- 働きすぎて疲れている
- 仕事の質を上げたい
著者
グレッグ・マキューン
コンサルティング会社THIS IncのCEO
エッセンシャル思考の生き方とリーダーシップを広めるべく世界中で講演、執筆をおこなっている。
アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッターなどの有名企業にアドバイスを与えている。
2012年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された。
要約
まずはエッセンシャル思考のモデルをわかりやすく説明します。
非エッセンシャル思考 | エッセンシャル思考 | |
---|---|---|
考え方 | みんな・すべて ・やらなくては ・どれも大事だ ・全部こなす方法は? | より少なく、しかしより良く ・これをやろう ・大事なことは少ない ・何を捨てるべきか? |
行動 | やることをでたらめに増やす ・差し迫ったものからやる ・反射的に「やります」と言う ・期限が迫ると根性でがんばる | やることを計画的に減らす ・本当に重要なことを見定める ・大事なこと以外は断る ・あらかじめ障害を取り除いておく |
結果 | 無力感 ・何かも中途半端 ・振り回されている ・何かがおかしい ・疲れきっている | 充実感 ・質の高い仕事ができる ・コントロールしている ・正しいことをやっている ・毎日を楽しんでいる |
ここからは正しく「減らす」ためのしくみを順番に紹介します。
大量のどうでもいいことのなかから、少数の本質的なことを見極める
必要なことをするための余裕をつくるために、自分で「これを捨てる」と決める。
努力や根性でやりとげるのではなく、すんなり実現するようなしくみをつくる
それでは各パートを詳しく説明させていただきます。
STEP1 「見極める」
非エッセンシャル思考の人はあらゆる話に反応し、何でもとりあえずやってみます。
だから多くのことに手を出すが、すべて中途半端な結果しか得られない。
それに対してエッセンシャル思考の人は、何かに手を出す前に、幅広い選択肢を慎重に検討します。
そしてこれだけはということだけを実行します。
ここからは具体的に見極めるコツを紹介します。
見極めるコツ①
考えるための余裕をつくりだす
多くのことから少数の重要なことを見分けるためには、誰にも邪魔されない時間が不可欠です。
ただし、この忙しい世の中で、そんな余裕が自然に生まれるわけがありません。
あえて時間をとらなければ、誰も考える余裕など与えてくれません。
優秀な経営者ほど、意図的に「空白の時間」をつくりだしています。
毎朝5分でもいいから、忙しい日常から離れ、自分だけでいられる時間を確保しましょう。
見極めるコツ②
睡眠をしっかりとる
心と体をないがしろにすると、価値を生み出すための元出がなくなってしまいます。
優秀な人たちがどんどん自分を壊している原因は、睡眠不足です。
自分の1週間の睡眠を振り返って、7時間以下だった日はあるだろうか。
エッセンシャル思考の人は、睡眠を武器だと考え、自分の力を引き出すために活用しています。
見極めるコツ③
もっとも厳しい基準で決める
どうでもいいとこを捨てられずにいると、本当に重要なことをする余裕がなくなってしまいます。
中途半端なイエスをやめて、「絶対やりたい!」か「やらない」の2択にすることが必要です。
非エッセンシャル思考の人はいつも、消極的な基準でものごとを選んでしまっています。
- 上司に言われたからやる
- 誰かに頼まれたからやる
- みんながやっているからやる
絶対にイエスだと言い切れないなら、それはすなわちノーです。
STEP2 「捨てる」
「絶対やるべきこと」を決めることができたら、次は「やらなくてもいいこと」をきっぱり捨てなくてはならない。
本当に重要なことをやりとげるために、不要なものごとを「捨てる」技術を紹介します。
うまく捨てる技術があれば、同僚や上司や顧客の反感を買うどころか、むしろ賞賛されるようになります。
考えるべきは「どれを引き受けようか?」ではなく、「何にノーと言うか?」です。
捨てる技術①
断固として上手に断る
このような経験はないだろうか?
- 心の中で違うと思いながら、仕方なく行動したことは?
- 他人の顔色をうかがい、場を丸くおさめるためにイエスと言ったことは?
- 上司や同僚、友人、親戚などの誘いを、断るのが怖くて引き受けてしまったことは?
他人からのプレッシャーに負けずきっぱり上手に断ることが、エッセンシャル思考の必須スキルです。
しかし同時にもっとも難しいスキルでもあります。
断るために勇気が必要で、ノーというのは誰だって不安です。
そういう気持ちに打ち克ってノーを言うことができなければ、それよりはるかに大切なものを失うことになってしまいます。
では、上手に断ることができるコツを紹介します。
- 判断を関係性から切り離す
-
誰かに何かを頼まれたとき、私たちはそれを関係性の問題だと思ってしまいます。
頼みを断ることが、相手を拒絶することだと感じてしまう。
この2つを分けて考えなくてはならない。
- 直接的ではない表現を使う
-
時には直接的な表現を避けて、やんわりと断ることも必要になります。
- 声をかけてくれてうれしいのですが、あいにく手がいっぱいで・・・
- 行きたいのは山々ですが、時間があるかどうか・・・
- トレードオフに目を向ける
-
ここでイエスと言ったら、自分は何を失うのだろうか。
そのトレードオフに目を向ければ、中途半端なイエスは言えなくなります。
どんな判断をするときも、機会コストを忘れてはいけません。
- 好印象よりも、敬意を手に入れる
-
ノーを言うことで、短期的に相手と気まずくなることがあります。
だが、長期的にみればポジティブな面もあります。
うまく依頼を断ることは、「自分の時間を安売りしない」というメッセージになります。
- あいまいなイエスはただの迷惑
-
あいまいなまま引き延ばされるよりも、はっきり断られるほうがずっといいです。
- うまくいくように動いてみます
- たぶん大丈夫だと思うんですけど・・・
このようにできないとわかっているのに、あいまいにしておいて断るなら、その場ですぐに断るほうがいいです。
はじめはうまくいかないこともあるが、練習をするうちに、だんだん身についてきます。
試行錯誤を重ね、腕を磨いていけばいいのです。
捨てる技術②
過去の損失を切り捨てる
やっていることをやめられない理由の1つに、「サンクスコストバイアス」という心理的バイアスがあります。
すでにお金や時間を支払ってしまったという理由だけで、損な取引に手を出し続ける心理的傾向のこと
たとえば、チケットを買ってしまったという理由だけで、ひどくつまらない映画を最後まで見続けてしまいます。
非エッセンシャル思考の人は、こうした悪循環にはまり込みやすいです。
エッセンシャル思考の人は、勇敢に自分の過ちを認め、悪循環を脱け出すことができます。
ここからはサンクコストにとらわれない方法をいくつか紹介します。
- 持っていないふりをする
-
「どれくらいの価値があるのか?」と考えるかわりに「まだこれを持ってないとしたらいくら払うか?」と考えます。
思わぬチャンスに対して
「もしもまだこのチャンスが手に入っていなかったら、手に入れるためにどれだけのコストを払うか?」
仕事のプロジェクトに対して
「もしもまだこのプロジェクトに参加していなかったら、参加するためにどんな犠牲を払うか?」
- 第三者の意見を聞いてみる
-
自分に合わないことにとらわれているときは、他人の冷静な意見を聞いてみたほうがいいです。
何の利害もない立場からのアドバイスは、執着を断ち切るのに役立ちます。
「もっと頑張れば、きっとうまくいく」と自分に言い聞かせるのは、これまでの努力が無駄だったと思いたくないから。
- 逆プロトタイプ
-
本格的に撤廃する前に、簡単な形で試してみます。
今やっていることを試験的にやめてみて、不都合があるかどうかを確かめます。
これらのテクニックを使っても、何かをやめることはそう簡単ではないです。
しかし、きっぱりとやめるスキルを身につければ、人生はもっとシンプルになるはずです。
STEP3 「仕組み化する」
非エッセンシャル思考の人は、努力と根性でやりとげようとします。
エッセンシャル思考の人は、なるべく努力と根性がいらないように、自動的にうまくいくしくみをつくります。
つまり、いったんやるべきことを決めたら、それを無意識に実行できるようにしておきます。
ここから仕組み化をするにあたって気をつけた方がいいポイントを紹介します。
仕組み化のポイント①
最悪の事態を想定する
不足の事態はいつでも起きます。
- 事故で道路が渋滞している
- 飛行機が遅れたり、欠航になったりする
- 道で転んで手首を折る
- 職場で注文した品が届かない
- 同僚がミスをしでかす
だから、何が起こってもあわてないように、あらかじめ備えておいてほうがいいです。
非エッセンシャル思考の人は、条件に恵まれたケースだけを前提として予定を立てようとします。
- 5分もあれば着くだろう
- この作業なら金曜日までにいけるんじゃないかな
- 本気を出せば半年で完成する
このような希望的観測に従って生きます。
だが、エッセンシャル思考の人は、思わぬことは起こるものだと知っています。
万が一に備えてバッファをとり、予定外のことがあってもペースを取り戻せるようにしておきます。
自分で見積もった時間を、つねに1.5倍に増やして締め切りを設定しておきます。
さらにこの5つの質問を投げかけてみます。
- どんなリスクがあるのか?
- 最悪の場合、どんなことになりうるか?
- 周囲の人への影響はどうようなものがあるか?
- そのリスクは自分(会社)にとってどの程度の経済的負担となるか?
- リスクを減らすためにどのような投資をおこなうべきか?
仕組み化のポイント②
仕事を減らし成果を増やす
短時間で大きな成果を上げるには、ボトルネックを探すことが必要です。
システム全体の足かせになっている部分
非エッセンシャル思考の人は、場当たり的に問題を対処します。
困ったらそれを直し、また別のところが困ったらそれを直すという具合です。
エッセンシャル思考の人は目の前の症状に惑わされず、どこが本当の問題なのかを見極めようとします。
何が妨げになっているのかを特定し、もっとも効果的に処置をします。
これは問題解決に限らず、最小限の努力で最大限の結果を得るための普遍的なやり方です。
そのためのコツを3つ紹介します。
- めざすことを明確にする
-
めざす成果が明確でなければ、何をすべきはわかりません。
最初に「最終的にどこへたどり着きたいのか?」を自問します。
- ボトルネックを特定する
-
仕事にとりかかる前に「この仕事をやりとげるうえで、邪魔になるものは何か?」を考えます。
すべてをリストアップして、優先順位をつけます。
目標達成を邪魔する要素はいくつもあるが、最優先で解決すべきはひとつです。
- 邪魔なものを取り除く
-
最大の障害を取り除いておけば、ほかのすべてがスムーズに進み始めます。
まとめ
本書でも紹介されているが、エッセンシャル思考はクローゼットに例えるとわかりやすいです。
もしも、クローゼットを片付けないで放っていた場合、着たい服はすぐに見つかるだろうか?
何が必要で何が不要か判断できないので、なくてはならない服をうっかり捨てしまったり、着ない服がたまってしまう。
そこでエッセンシャル思考をクローゼット整理にあてはめてみます。
「いつか着る可能性があるだろうか?」という考え方をやめましょう。
その代わりに「大好きか?」「すごく似合うか?」「しょっちゅう着るか?」と考えます。
もしも答えがノーなら、それは不要なものです。
クローゼットの洋服を「いるもの」と「いらない」に分けたとします。
「いらないもの」を今すぐ捨てる勇気があるだろうか?
おそらく「やっぱり、もったいない」と感じて躊躇してしまいます。
そんなときは「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」と考えてみよう。
クローゼットをきれいに保つには、日頃から整理整頓できるしくみが必要です。
いらないものをいれるための特大サイズの袋を用意して、どうしても必要なもの以外はそこにいれる。
定期的にその袋を持って古着屋に行き、買い取ってもらう習慣をつけましょう。
人生も仕事も、クローゼットと同じです。
必要なものと不必要なものを区別できなければ、どうでもいいことで埋め尽くされてしまう。
そんな人生をシンプルにするための生き方が本書にはたくさん紹介されています。
そのなかでも紹介できたのはごく一部で、もっと知りたい!と思った人は読んでみてください。
オーディオブックの基本情報
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