パパリーマン書店の店長”くろんぼ”です。
今回、紹介したい本は「メモの魔力」です。
この記事は”5分で読める”要約となっており、忙しい人でも効率よく読書体験ができます
- どんな内容なのか
- どんな悩みを解決できるか
- 著者について
- 書籍の要約
- 書籍の感想
- オーディオブックの基本情報
”オーディオブック”を活用すればもっと効率よく読書体験できます
ひとこと要約
「AI時代に生き残るメモ術」
メモには大きく分けると2種類あります。
- 記録のためのメモ
- 知的生産のためのメモ
まずは「記録のためのメモ」です。
情報や事実をそのまま切り取って伝えたり、保存したりするためのメモ。
みなさんが一般的に「メモ」といわれて思い浮かべるのはこっちだと思います。
ただ、本書で重要性を強調しているのはもうひとつのメモです。
それは「知的生産のためのメモ」です。
独自のセンス、視点で、新しいアイデアや付加価値を生み出すためのメモ。
これからもっとAI化が進んでいきます。
「記録のためのメモ」のような無機質な情報の記録は、ロボットの最も得意とする分野です。
例えば、人間が広辞苑の内容を10分で正しく記録することは不可能です。
ロボットなら広辞苑の内容をダウンロードして終わりです。
一方、「知的生産のメモ」の分野ではまだまだ人間に優位性があります。
本書では、あらゆる日常の出来事を片っ端からアイデアに転換できるメモ術を学べます。
パパリーマンの悩み
メモにテクニックなんかある?
私は最近、会議の進行やプロジェクトのまとめ役を任せられることが増えてきました。
話し合いの内容をまとめるためにみんなの発言やテーマなどメモを取っています。
それ以外にもスマホサイズのメモ帳を持ち歩き、気になることがあればメモするように心がけています。
でもふと思い返すと、これは忘却しないための記録であって、思考のためのメモではない。
そのため後日あらためてメモを見直すことはほぼないです。
それでは意味がないのではないか?もっと効果的にメモを活用する方法があるのではないか?
そんなことを想い、この本を手に取りました。
- 効果的なメモの取り方を知りたい
- アイデアを生み出したい
- 自己分析をしたい
著者
前田 裕二(まえだ ゆうじ)
SHOWROOM株式会社 代表取締役
1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入行。
2011年からニューヨークに移り、2013年にDeNAに入社。
2013年仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げる。その後、分離独立させて「SHOWROOM株式会社」を設立。
物心ついたときには父親はおらず、8歳で母親が他界してしまう。
10歳離れた兄と一緒に親戚の家に引き取られた。
小学生の頃からギターの弾き語りを始めて、その経験が「SHOWROOM」の原型となっている。
有名塾に通う同級生の女子に学力で勝てないことが動機に変わり、授業でメモを取りはじめる。
要約
僕にとってメモとは、
生き方そのものです。メモによって世界を知り、
アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、
人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、
熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、
引用元:『メモの魔力』
人を動かし、そして人生を、
世界を大きく動かします。
著者の前田さんは、日常的におびただしい量のメモを取ります。
- 映画や演劇の1作品で、100個以上
- 就職活動の自己分析では、ノート30冊
- 会食・ランチのときでもメモする
ここからは具体的に「前田流メモ術」について説明していきます。
メモで日常をアイデアに変える
メモやノートは「第2の脳」です。
いわば「外付けハードディスク」として、あとで検索できるように書いていきます。
第2の脳に記憶の部分を頼ることで、空いた自分の脳の容量を、創造力を要することに目一杯使うことができる。
メモで鍛えられる5つのスキルがあります。
- アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)
- 情報を「素通り」しなくなる
(情報獲得の伝導率向上) - 相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)
- 話の骨組みがわかるようになる
(構造化能力の向上) - 曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)
アイデアを生む出すノート術
ここからは、実際にノートを活用したメモ術を紹介します。
- ノートは見開きで使います
- 左ページの上部に横線を引きます
(日付とページの見出しを作るためなのでそこまで幅はいらない) - さらに左ページに縦線を1本引きます
(分割したときに、左側2割・右側8割になるように) - 右ページには中央に縦線を1本引きます
準備は完了です。
ここからはメモを取っていきます。
- まずは左ページに「ファクト」を記入します
会話の内容や気になったことを客観的な事実を書きます - 「標語」を記入します
”要するに”を一言で表現したり、キャッチーなネーミングをつけたりします - 右ページの「抽象化」した要素を記入します
より本質的なことだけを抽出する - 最後に「転用」を記入します
抽象化した気づきを別のなにか引用できないか書き出します
メモで思考を深める
本書では、情報を知的生産につなげるためには「抽象化」が最も大事であると断言しています。
抽象化というと小難しく聞こえますが、日常生活の中にも抽象化はたくさんあります。
お年頃の男子生徒が、好きな子と遊びに行くことを親に話すとき、
「〇〇ちゃんと出掛けてくる」ではなく「友達と出掛けてくる」という
具体化したらそれぞれ女の子を「〇〇ちゃん」「△△ちゃん」「☓☓ちゃん」と呼びます。
それらを抽象化すると「友達」と呼ぶことができます。
抽象化には3つの型があります。
- 「What」型
目の前の現象や考え方を抽象化して、また別の名前をつけて呼び直す
「空から降る水の粒」⇒「雨」 「左と右/男と女」⇒「反対」 - 「Why」型
目の前の現象にはどんな特徴があるか、ということを深掘りして考える
「ポケモンにはそれぞれ属性がある」⇒「相手に応じて攻撃方法を変える」 - 「How」型
ヒット映画が当たった理由を抽出して、また別の企画に転用したい
『カメラを止めるな』⇒無名の俳優や低予算⇒落差が重要(制作費をかけてないのに面白い)
抽象化ができると、物事の本質を考えるができるようになります。
抽象化を通じてインプットした法則は、あとからいくらでも他の具体に転用して味える、「価値のある原液」になります。カルピスの原液にソーダを掛け合わせると別の飲み物になるように、最初の原液さえ持っていれば、別の中で薄めることで全く違う新たなものが生み出せるかもしれない。
引用元:『メモの魔力』
メモで自分を知る
本書では、単なるメモや思考術のノウハウ本で終わらせないために重要なことがあります。
「自分が何をやりたいか」を明確にすること。
例えるなら、「メモ」という強力な魔力を手に入れたのに、倒すべき敵がいない、みたいなこと。
自分とは何か?自分が望んでいるものは何か?それを明らかにするときにもメモは役立ちます。
自己分析というと就活生がやるイメージがありますが、社会人でもとても大切です。
本書の中では1000問の問いが付録として巻末についています。
「自分を知る」ためには、シンプルに、まず1つでも多くの「自分を知るための問い」に答える。
「幼少期に苦しかった経験は?」
ファクト:お金がなくて、塾に行けないが、塾に行っている子のほうがどうしても賢い。でも死ぬ気で追い抜いた。
抽象化:運命を努力で覆したい、逆境はバネになることを証明したいというのが自分のモチベーション。
転用:このモチベーションを原点においておけるような事業を創る。自分の体験を伝えて勇気を与える。
これは本書の中で紹介されている前田さんの実際のメモです。
ここでも問いに対する答え「ファクト」から本質について考える「抽象化」をしていきます。
そうすると、「これは一生譲れない」という人生の軸に気づくかもしれない。
まとめ
私は、メモの意味を勘違いしていました。
忘却しないため、思考を整理するためにメモを取ったほうがいいと思っていました。
前田式メモ術は、ただの記録で終わらせないメモ術です。
日々の中で思考を停止してしまっていたら素通りしてしまう情報をアイデアに変換していく。
Apple創業者のスティーブ・ジョブズも「創造とは結びつけること」と言っています。
本書でも「抽象化」した価値のある原液を、別のものと組み合わせるとまったく新しいものをつくることができる。
物事を「ファクト」で終わらせるのではなく、横展開できるよう思考を深めていく。
私自身も、あらためてメモの取り方についてよく考えたいと思う1冊でした。
今回ご紹介しきれていない「メモで夢をかなえる」など本書にはメモの魔力があります。
ぜひ一度読んでみてください!
オーディオブックの基本情報
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※audiobook.jpでは『メモの魔力』の取り扱いはありません
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ナレーター:川島 努
再生時間:4時間27分
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